冬のパピーと夏の思春期 藤田りか子

Photo: Rikako Fujita

私が住むスウェーデンでは、夏に次いで冬、特にクリスマスあたりで子犬を迎える人は結構多い。 これは但し子犬がクリスマス・プレゼントとして贈られているからでは決してない。クリスマス、お正月休暇を利用して、子犬が来た最初の日々を家で一緒に過ごせるように、というのが狙いだ。これだと子犬の新生活のほぼ2週間はつきっきりになれるし、この間に、トイレのしつけを教えたり、一緒に遊んだり寝たりして、絆を強めることができる。子犬の時期は短し。とても貴重な時間だ。

たまたまではあるが、 私の犬たちも一頭を除いて大抵冬場に我が家の仲間入りをしている。どうせ迎えるなら寒くない夏の方が楽そうだが、私は色々な理由で冬に子犬が来てくれて、丁度よかったと思っている。まずトイレ・トレーニングがうまくゆく。夏場は我が家では家と庭の区別が曖昧になっており(ドアが開けっ放しになっているからだ)、外でおしっこをする、と言う概念を植え付けるのにしばらく時間がかる。その点、冬場は寒くドアは閉じているために、外と内の区別がはっきりする。

そしてもう一つ。子犬が思春期を迎える7ヶ月ぐらいになった時のことを考えると、やはり冬場に迎えるのがいいように思える。若犬として活発になり、同時にたくさんの環境トレーニングが必要とされる。この時期こそ、犬と外にたくさん出なければ。丁度その頃季節は夏になっている。スウェーデンでは外に出るのに素晴らしい気候だ。犬を飼っている友人とピクニックに行ったりする機会も夏が圧倒的に多い。若犬を連れ出し、様々な社会化トレーニングをすることができる。ただ日本は夏が暑すぎるので、季節としてはむしろこの反対の方がいいかもしれない。

さて、次号のテラカニーナ、特集は思春期についてだ。子犬時代も周辺準備やしつけで大変だが 、その次に訪れる若犬時代も実は同様に飼い主側の深い知識と思慮が必要となる。これから子犬を迎える計画をしている方がいれば、生活サイクルのどの時期に犬の思春期がぶつかるか、飼う前によくよく熟考するべきだろう。例えば自営業を営んでいる方なら、ちょうどその時繁忙期で、犬に時間をかけてあげられない、なんてこともあるかもしれない。いや、それだと、思春期を過ごすのはちょっと大変かも!世話のかかる時期は、子犬時代だけじゃない。

というわけで子犬を飼う前には、思春期に一体 何が犬に起こるのかもぜひ知ってほしい。2号の特集を楽しみにされたい。

2016年 12月